「チャイルド・プレイ」リメイク版監督がテーマやAIチャッキーの殺人動機について語る


collider.comにて「チャイルド・プレイ」リメイク版の監督Lars Klevberg氏のインタビューが掲載されていました。
collider.com

「チャイルド・プレイ」リブート版のテーマ

まず、予告編からも分かる通り、今度のチャッキーは連続殺人犯の霊が憑依した人形ではなく、搭載AIが暴走(または、彼にとっては理由あっての行動)したロボットです。

劇中のIT企業「Kaslan corp」のホームページ。
なにやら新商品が「COMING SOON」となっています。
ミニマルでシンプルな製品ラインナップの中、いきなりあのデザインのロボットが来るわけないだろ、とは思ってしまいます。
https://kaslancorp.com/products/

AI含めた科学技術に物申す、系?

ただ、本作品のテーマは「科学技術への警鐘」ではなく、オリジナルと同様「消費文化」である(しかし、そういったテーマはそれほど重要では無い)との事です。

上記は質問者の「オリジナルのテーマは”child consumerism”(児童へ消費行動を促す過剰なマーケティング)であったが、今回は技術の危険性がテーマですか?」に対する答えですが、私は当時ぼーっと見ていたのか、オリジナルにもそのようなテーマは特に感じていませんでした。

チャッキーの動機

(殺人鬼となる)チャッキーの動機について、監督は下のように答えています。

脚本を読んだとき、私が最初に認識したことの1つは、まさにチャッキーの動機の大きな変化でした。
そしてその変化が彼のキャラクターを魅力あふれるものにしています。

彼には彼の正当な動機があり、それは人間との関わり合いから生まれました。

彼に共感できること – これは本作で特に私が意識した部分です。

私はこの物語をギリシア悲劇と捉えることもできると考えています。
この映画で「多面的な感情を持つチャッキー」というキャラクターは私にとって重要でした。
What is Chucky’s motivation in the reboot? 意訳

このあたりはスプラッターホラーとして少しリスクもある気がします。
「敵側の事情」は物語に奥行きを与える効果(近年ではインフィニティ・ウォーのサノスなど)はありますが、得体の知れない存在を相手にしている恐怖感は薄れてしまいます。貞子しかり、伽椰子しかり、事情を知るほどに恐怖は薄れ、時にはギャグ的な扱いを受けるような感じです。

前作は完全に自分勝手な殺人鬼の魂が宿った人形に追いかけ回される、というシンプルな恐怖がありました。
インタビューの中で、メアリー・シェリー原作のフランケンシュタイン(の怪物)がインスピレーションのひとつと語っている通り、若干悲劇的な、同情すべきキャラクターとしてチャッキーを描くことは間違い無さそうです。

その他

オリジナルでは6歳だった主人公が、本作では12歳の設定になっています。
「より多くの子供を巻き込んだストーリーを作りたかった」ことが理由だと説明しています。

アンディは主人公ではあるが、バックグラウンドは少し特殊であるため、友人たちを配置することでストーリーを進める必要があった、のようなニュアンスの言及もあります。「スタンド・バイ・ミー」で若干消極的な訳あり主人公以外の友人3人が能動的な行動で物語を進めるイメージでしょうか。

しかし、12歳で、いくらAI搭載とはいえこのビジュアルの人形はいらないだろ、とは思いますが、どういう経緯で欲しくなったのか興味があります。

まだ悪くなってない状態だけど、欲しいかなこれ?
https://bestbuddi.com/

見ていないので勝手な意見ですが、人形を欲しがるのは主人公の幼い弟にして、主人公は最初から人形には嫌悪感を抱いている、のほうがしっくりする気がします。

チャイルド・プレイは米国で6月21日に公開されます


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