幼稚園や保育園のホームページ制作に必要と思われる要素をまとめてみました。
幼稚園のホームページの運用環境
まず、日々の更新の運用環境について。
とても忙しい業務の中、ホームページの専任担当者や、定期的な更新ルールを設けることは難しいと思われます。
先生やスタッフが気軽に更新できて、またある程度そのままにしてしまってもサイトの体裁を損なわない
(例:トピックスやニュースの定期的な更新が難しい場合は、トップで目立たせない)ことを考慮した設計が必要だと思います。
例えば「ホームページをリニューアルしました!」の記事が数ヶ月に渡り一番上に出てしまうくらいなら、ブログは最初から掲載しない、等。
ソーシャルメディアに関しても同様で、必要な場合はFacebook/Twitterへのリンク・コンテンツ自動投稿、またはフィードの埋め込み等、あまり手間のかからない形に。
InstagramもLINEもせっかくリニューアルだから、と始めても、業務を圧迫しては意味がありません。
また、昨今の状況から考えて、写真を載せた載せてない等のクレームや炎上リスクの方が高い場合は、あえて積極的にSNSを活用しなくても良いかもしれません。
世の中にはSNSの成功事例が溢れていますが、幼稚園での活用には慎重な計画が必要だと思います。
例えスタッフの中に得意な人がいても、今度は属人化(その人しか分からない、退職時に引き継ぎ出来ない)リスクがあります。
子どもたちの大切な時期でもあるので、ビジネスサイトやECサイトよりも尖らない、保護者が安心して閲覧できる普通のホームページを作ることが、まずは目指すところだと思います。
ホームページの訪問者
当然ながら、幼稚園、保育園のホームページのターゲットとなる閲覧者は幼稚園児や保育園児ではありません。
トップページに昔作成したフラッシュのミニゲームを配置したり、ボタンを押す度に効果音が鳴るような、子ども向けアプリのようなホームページが多数あります。
しかし、幼稚園や保育園のホームページの目的は、大まかに
1.入園に至る情報の提供、お問い合わせ
2.園児保護者に対する情報の提供
に絞られます。
特に、毎回入園の枠がいっぱい、のような幼稚園、保育園の場合は、ビジネスサイトと異なり積極的にユーザーを獲得するより、あたりまえの情報を必要な分だけ掲載、更新の手間を省くことが大切になると思います。
保護者専用ページ
これは、一般的なホームページリニューアルの範疇では規模的に難しいと思われます。
イベント写真の選択アルバムの販売、クラス分け、各係への連絡等々、セキュリティはもちろんの事、年ごとに卒園者へのアクセス権も変動します。
専用のウェブサービスやアプリを導入したり、幼稚園、保育園向けICT化補助金の対象になるような、基幹システム含めたシステムの導入が必要になると思います。
その他
運営母体は社会福祉法人・NPO法人・学校法人・株式会社等様々です。その形態により、決算帳票の開示が求められる場合もあるかもしれません。
特に検索インデックスの対象にする必要も無いので、ここは園の概要ページ内にPDFリンク等で良いと思います。
幼稚園ホームページ制作に想定される仕様のまとめ
下記のような感じになると思います。
サイトの目的
・入園に至る情報の提供、お問い合わせ
・園児保護者に対する情報の提供
・上記に関わるスタッフ業務の低減
上記目的に関する必要な機能やポイント
・お知らせ等、保護者への連絡事項表示の一元可
「ここだけ見ておけば大丈夫」「ここだけ更新すれば良い」というコンテンツをひとつに絞る。
・年間を通してあまり変わらない部分、更新が前提の部分を精査し、構造を分けて運用を簡単に。
サイトマップ
・HOME
・お知らせ(園からのお知らせ、今月の行事予定、お便り等)
・各種ルール(幼稚園バスのキャンセルの方法等)や、提出用紙のPDF掲載。
・(必要に応じて)先生、スタッフ、送り迎えの運転手さん紹介
・クラスについて(デイリープログラム・クラス配置図)
・年間イベント(年間行事・トピックス等)
・幼稚園について(沿革・園長メッセージ・アクセス等)
・お問い合わせ/連絡フォーム
・ご意見箱(匿名可能な連絡フォーム)
・(必要に応じて)関係者各位への資料ダウンロードページ
・(必要に応じて)採用情報
その他
アクセスのほぼ100%が保護者、特に母親のスマホからと想定される。1カラムベースでわかりやすい画面遷移は必須。
イベントの写真の閲覧、購入申し込み等は開発規模が大きくなってしまう為、既存のサービス、システムの利用を検討。
ビジネスサイトよりは積極的なプロモーションやSEOの優先度は低く、現場に負担のかからない形で必要な情報を保護者に提供することが、幼稚園ホームページの基本になると思います。